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分析手法-マーチャダイジング(MD)

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◎注意:本項で提示した事例は実際に用いられたものではありません。

1.トレンド把握

1)市場比較
ある商品ジャンル全体に関して、全国、都道府県、チェーンストアの売上を年度別に販売金額や販売点数で比較し、中期的なトレンドを把握する。
2)カテゴリー比較
ジャンルをカテゴリーに分割し、売上を年度別や月別に販売金額や販売点数で比較し、中期・短期のトレンドを把握する。

【外部参照に利用できる有料データ】
RDS、日経POS、SRI、SCIなど


[事例]…日配品>練製品>ちくわ

供給…農林水産省統計

国内水産加工品生産量指数 2007年までの4年間、水産加工品生産量は全般に下降傾向で8%以上の下落。ちくわを含むかまぼこ類も同じトレンド。

*食品需要研究センター「食品工業動態表」によると、2008年、かまぼこ類は微減とみられる。

消費…総務省家計消費

魚肉練製品消費金額指数 家計消費に占める食料支出は2001-2006年間で10%下降し2007年に2%上昇。うち魚肉練製品(揚げかまぼこ、ちくわ、かまぼこ、その他で構成)は2002-2006で17%大幅下落後、2007に2%上昇。
揚げかまぼこは食料支出と下げ幅において同トレンド、他の魚肉練製品(魚肉ハム・ソーセージなど)が近年伸びている、ちくわはもっとも下落が著しい。
家計支出魚肉練製品の内訳構成比 魚肉練製品に対する家計支出の内訳は構成比において魚肉ハム・ソーセージが伸長、その分ちくわが縮小。
魚肉練製品世帯消費 明らかに西日本で消費が多く、東日本で少ない。但し、ちくわだけではなく揚げかまぼこ、かまぼこの消費性向の違いも含まれている。

スーパー地域別販売推移

販売推移・販売PI値推移 関東、関西、北海道 関東、関西、北海道で販売金額、点数、金額PI値、点数PI値の推移を比較。2007-2008年は近年の傾向と異なり、どの地域もちくわは販売を大きく伸ばしている。
景気の後退>家計消費の引き締め、原料高>値上げ、食品安全性への不安などから、魚肉、国産、値ごろ感などがプラスの要因となったと思われる。

2.販売分析

1)商品の位置づけ
カテゴリーから分析対象とする商品(単数・複数、自社・他社、NB・PB)を抜き出し、自店カテゴリー内の他商品、自店・他店での競合関係をもとに商品位置づけを行う。

2)現状評価
次のような各種の分析から異常値や特徴を見つけ、現状の評価を行う。
A.商品構成…購買ニーズに合致し、カニバリを起こしていないか?
B.タイミング…季節・行事・キャンペーンに合わせ売場投入されているか?
C.価格…売上・収益を最適化する価格づけがなされているか?
D.陳列…購買を刺激する配置になっているか?>棚割り・エンド陳列
E.販促…販売促進策は効果をあげているか?>チラシ、インストアプロモーション(インプロ)インプロに関しては、家庭での食され方に基づく提案を検討(TI、食卓出現率(たべみる、食まっぷなど)

[事例]…日配品>練製品>ちくわ

商品の位置づけ

売場を構成する商品を次のように分類する。
・定番…入り数4、5本で通常売価100円前後。ちくわカテゴリーの主力。
・太物…定番品より大きく、入り数2、3本で通常売価150〜200円。更に「生」(生食)と「焼き」または「煮込み」(主に調理用)に分かれる。
・高級品…入り数1本、2本で1本あたりの価格が100円前後またはそれ以上。主に生食用。
・変わり種…チーズ、たまねぎ、わさび入りやスモークするなど材料や製法が特殊。季節物で「合格ちくわ」など。

商品構成

関東、関西、北海道で売上上位10アイテムを分類すると、
・関東では、他地域の太物消費部分が高級品に置き換わっており、調理用にも高級品を使用している可能性。
・関西では、太物は生食用と調理(煮込み)用がしっかりと区別されており、鱧、鯛など素材や産地にこだわりがある。
・北海道では、高級品が極端に少なく、調理にも生食用を使用する家庭が多い可能性。
・関西は上位アイテムの売上全体に占める割合が他地域より10%以上低く、多数のアイテムに売上が分散している。一方、北海道は売上が上位の少数アイテムに集中している。
販売トップアイテムの売上比率、販売トップ10アイテムの分類

販売推移

北海道のスーパーの2007-2008年の月別販売推移を金額と金額PI値で比較した。
2008年前半は販売を伸ばしているが、後半は徐々に鈍化、金額PI値では年末に昨年を割り込んだ。
 
月別販売金額推移 月別販売金額PI値推移
太物月別販売金額推移 月別販売金額推移を太物に絞って比較すると、2008年前半の好調が8月以降完全に失われている。

●気づき
2008年は原料高を受け、入り数などの規格変更、標準価格の変更があり、「値ごろ感」の維持が難しかった。特に太物は、中間価格帯であり、定番や他商品に代替されやすいのでは?
※以下、太物の2008年の販売に焦点をあてる。

価格と販促効果

月別販売金額PI値推移 月別販売金額推移
▲2008年を対象に北海道のスーパーで定番、太物、変り種の曜日別売上金額を比較した。定番については、週末にチラシ特売を確実に実施し「売りの山」ができている。 ▲一方、太物はほぼ1商品集中で年98日のチラシ特売を行っており、売りの失速した8月にも特売日が11日ある。
2008年太物NB売価と販売額 2008年太物NB平日・週末別売価と平均日次販売額
▲この太物商品は2008年中に標準価格を178円>188円>218円と2回変更しており、7月下旬に218円に変更したことで「値ごろ感」が失われ、新価格を定着させるために8月に実施した特売も十分な「売りの山」を作れていない。 ▲標準価格、平日・週末の別で特売効果を見ると、
・標準価格188円の期間が特売効果が最も大きい。
・標準価格178円、188円の期間は、特売効果は平日の方があった。定番に比べ太物購買層は平日に多い。
・標準価格218円では、特売効果が188円より弱まり、しかも効果の弱まりは週末より平日のほうが大きい。

●気づき
2008年後半は、太物購買層のメインである平日客に対し、標準価格と特売価格の両方で「値ごろ感」を打ち出せていない。

[参考]北海道各スーパーのチラシ比較

2008年ちくわカテゴリー商品を含むチラシ企画数 2008年北海道スーパーちくわセグメント別掲載回数
▲ちくわカテゴリーでの掲載回数は、コープさっぽろ(105回)、ビッグハウス(76回)、ラッキー(40回)の順で多い。
ビッグハウスちくわチラシ掲載数 コープさっぽろちくわチラシ掲載数
▲ビッグハウスは、回数は少ないものの定番、太物とも低価格に集めている。 ▲コープさっぽろは、定番で75円打ち出しを28回掲載、太物168円も14回掲載。但し、定番・太物とも特売価格に幅が大きい。
コープさっぽろちくわ特売日数
▲コープさっぽろは、年間をつうじて特売を配しているが、前半は太物、後半は定番に力点をおいている。
ビッグハウスちくわ掲載日数
▲ビッグハウスは、定番を夏季に集中、太物を後半に配している。
太物特売価格比較 コープさっぽろが、後半太物の特売価格を引き上げたのに対し、ビッグハウスは上昇を抑えている。

3)仮説
現状評価から、課題や取り組み余地を洗い出し、原因・根拠についての仮説を立てる。アンケート(テキストマイニングなどを含む)や売場調査など複数の客観的な裏づけがあるとなおよい。

[事例]…日配品>練製品>ちくわ

太物購入層が比較的来店頻度の高い平日客中心ならば、チラシ特売以外にも実際の売場で商品と価格から「値ごろ感」を判断しているケースが多いのでは?


3.提案
1)改善策
洗い出した課題に対して、仮説に基づく具体的な改善策を立案する。

[事例]…日配品>練製品>ちくわ

[改善策]

1.チラシ特売は、効果の薄い週末ではなく平日に集中する。
2.パッケージング
太物は定番よりボリュームや食味を重視されている。包装デザインの変更で、原料、製法、味などで定番との違いを際立たせ、標準価格での値ごろ感を回復する。
3.インストアプロモーション
棚割りにおいて定番と並列せず、隣接するかまぼこなどの高価格帯商品と合わせた陳列グループを作る。水産加工品や地方名産品、冷蔵おつまみなどのコーナーにも併置する。
*料理レシピ提案によるクロスセルの可能性
北海道は「生食用」「調理用」の使い分けが進んでおらず、おでん・煮物、サラダ、酢の物などには定番が使われる。それに対し、太物は生食がメインであることから、そのままの食味・食感を生かした商品訴求がよいと思われる。生食用太物ちくわと競合する商品はなにか?


2)効果予測
改善策に基づく52週販売計画と目標数値(販売金額、販売点数)を提示する。
4.検証
1)結果検証
2)次の提案へ

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